「一期一会」の中の一つ、去るという区切り

日常の気づき

仲の良い友人が9月いっぱいで、今の仕事を退職することにしたそうです。
少人数の職場で、彼女に対して無視したり、ちょっとした意地悪をする人が一人。友人は、その人と距離をとったり、受け流し方を工夫したり、彼女なりに対策を重ねてきましたが、状況は変わらず。

「単純に楽しくない。この一言に尽きます」

そんな報告が、仲良し三人組のグループLINEに送られてきました。
驚きつつも、友人の決断を聞きました。

「一期一会」は美談だけじゃない

友人は、その人との最後のシフトの帰り道
「一期一という言葉がふと浮かび、どんな縁にも最後の瞬間があるなということを改めて感じています」とLINEしてきました。

それまで、私の中で一期一会は「大切な出会い」「一度きりの奇跡」といった、どこか美談めいた響きを帯びていました。
でも、実際は、別れが寂しいご縁もあれば、 こちらから去っていきたくなるご縁もある。綺麗な思い出だけじゃない。この四文字では語りつくせない出会いと別れがあるのだと気づきました。

転機をくれた人への感謝

友人は、その後こういう文章を送ってきました。
「転機を作ってくれた人と思えば、 やっぱりその出会いにも意味が見出せるなと思いました」
「次へ進むきっかけを作ってくださったと思うと、 それも感謝です」

友人は、その人との「一生に一度だけの出会い」を、「感謝」という気持ちで締めくくりました。静かに、そして力強く「ここまで」という線を引いたように思えました。

3万人の中で出会った一人の人

3人のグループLINEの中のもう一人の友人が、
「人生で一人の人が出会う人数は3万でしたっけ?多くの人と交わることはないそうですが、
 ご縁とは思議なものですね。これから去る場合は、新しい未来が開けるということですかね。
 今よりもっと素敵な場所や人に巡り会えるってことか・・・」

友人は、また新しい「一期一会」の人に出会うために、歩き出すのでしょう。
そして、もう一人の友人と私は、彼女のその瞬間に寄り添いたいと思います。

終わりに

一期一会は、綺麗な思い出だけを指す言葉ではないのですね。

だから、すべての縁を抱え続ける必要はないし、距離を取るほうが良い場合もあります。誰かを拒絶するためというより、自分を守るためにも。
その人との出会いの意味は、あとから自分で与えられると思います。

今回の事で、友人から学んだことは「恨み」を持ち歩かないこと。「無理」を重ねないこと。
そして、静かに扉を閉じる勇気を持つこと。

これからもきっと、私にも、そしてこの文章を読んでくださったあなたにも、
さまざまな「一期一会」が訪れることでしょう。その中の選択の一つとして、静かに扉を閉じる勇気も忘れずにいたいと思います。

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