一昨日、会計担当の派遣さんが、
退院された患者さんの会計が保留になっている理由を
計算担当の人に確認してほしいと言ってきた。
確認してほしい点は二つ。
① なぜ入院料金の計算が保留になっているのか
② 入院金額は今日中に分かるのか
私はその二点を計算担当さんに確認し、
派遣さんにそのまま伝えた。
ところが、五分ほどしてから、
今度はその派遣さんが、私ではなく職員さんのところへ行き、
「いつ金額が分かりますか?」と聞いていた。
おそらく、患者さんから再度聞かれたのだろう。
その職員さんが
「誰が計算担当に聞いたんですか?」と尋ねたところ、
派遣さんは私を指さし、
その瞬間、周囲の視線が私に集まった。
私は、
何を聞き、
どのように確認し、
どのように伝えたのかを、順を追って説明した。
すると、そのやり取りを聞いていた上司が、すぐにこう言った。
「それは、もうどうしようもない。
この段階で、いつ金額が分かるかなんて分からないよ」
その一言で、場の空気は落ち着いた。
私に落ち度はないと、示してくれたのと同じだった。
こうした場合、
会計担当が
「今の段階では、いつ金額が分かるかはお答えできかねます」
と伝えても、業務上は何の支障もない。
私はそう教えられてきた。
ただ、派遣という立場では、
責任を負えない分、
一つ一つ確認しながら進める人が多いのも事実だ。
今回の派遣の会計さんは、勤続年数も長く、
仕事ができ、周囲からの信頼も厚い。
だから注意されることはなかった。
けれど、もし病院直雇用の職員であれば、
同じ対応では済まなかったかもしれない。
また、普段から自分で判断できることまで
逐一確認に来るような人であれば、
上司から一言入った可能性もある。
その時、派遣さんがどう思ったかは分からないが
仮に「あの人の説明では分からなかった」と思えば、
私は「説明が足りない人」になってしまう。
私からすれば、
「確認しないと進めない人」になってしまう。
今回の出来事は、
仕事ができる・できないという話ではない。
同じ出来事でも、
立つ位置が変われば、見え方も評価も入れ替わる。
そんな出来事だった。
私は少し不愉快な思いをしたけれど、
仕事に厳しい上司が、
話しをその場で整理し、
私に落ち度がないことを
派遣さんや周りに示してくれた。
そう思えたことで、
心は軽くなり、私は溜飲を下げることができた。

