「人は一生のうちに、約3万人と出会う」と聞いて、驚きました。
3万人――まるで小さな町ひとつ分です。
でも、その中で「会話をする人」は3,000人ほど、
「親しくなる人」は300人ほど、
「心から信頼できる人」は数人……と言われているそうです。
数字で見ると、なんだかとても不思議です。
日々、たくさんの人とすれ違っているはずなのに、
今ふと思い出せる顔は、ほんの数人だけだからです。
通り過ぎるだけの人も、私の風景の一部
思い返してみれば、朝の通勤電車で毎日見かけたあの人も、
職場ですれ違っただけの人も、
もう二度と会うことはないのかもしれません。
でも、たとえ一言も交わさなかったとしても、
その人たちは私の人生という風景の中を通り過ぎた「登場人物」たちだったのだと思います。
どこかで心の奥に小さな印象を残していった、名も知らない誰か。
ご縁は、数ではなく質
して、その何万人という出会いの中で、
ご縁がつながり、今そばにいてくれる人たちがいます。
数ではなく、心が通うかどうか。
たった数人でも、深く信頼できる存在がいてくれるなら、
それはとても幸運なことなのだと思います。
人生の中で何万人と出会っても、
「この人に出会えてよかった」と思える人は、ほんのひと握り。
だからこそ、その出会いは宝物のように大切にしたい――
今は、そう思っています。
そして、これから出会う誰かへ
れから先もきっと、
まだ見ぬ誰かと新しいご縁が生まれるのでしょう。
3万人という数字の中の、まだ知らない誰か。
その中に、未来の大切な人がいるかもしれない。
そう考えると、少しだけ背筋が伸びて、
どんな出会いにも小さな期待を込めたくなります。