こんにちは。今日は職場での内線電話のやりとりから学んだ、
ちょっとした「気づき」についてお話ししたいと思います。
ある日、電話での出来事
私が、今の職場で働き始めて半年、
電話対応にも慣れてきた頃の出来事でした。
「○○さん、いますか?」
いつもかけてくる人で、
内線番号もメモして覚えていました。
なぜメモしていたかというと、
その人は新人さん泣かせの人で
“要注意人物”として、新人さんから
新人さんへ語り継がれたきた人だからです。
「○○さんいますか?
「○○さんは今、打ち合わせ中です」
そう伝えると、すぐに返ってきたのは、
思いもよらない言葉でした。
「で?」
……え? 一瞬、頭が真っ白になりました。
私は慌てて
「電話に出ることができません」と続けました。
「で?」という一言に、胸がざわついた
たいていの場合、「打ち合わせ中です」と伝えた後、
話は展開していきます。
「お急ぎですか?」
「折り返しでもよろしいですか?」
「ご伝言はありますか?」
「じゃあ、折り返しもらえますか?」とか
「またあとでかけます」と返ってきます。
その人の、「で?」という聞き返しが、
私の心を突き刺しました。
「伝えた」だけでは足りなかった
あの「で?」には、こんな問いかけが
含まれていたように思うのです。
「あなたは、その先を考えていましたか?」
電話を切った後、
その時は、私は受け身だったなと思いました。
相手にリードを任せていました。
「ご伝言をお預かりしましょうか?」
「お電話があったこと、お伝えしますか?」
そんなふうに、
相手が必要としていることを
先回りして提案することをしていませんでした。
それが本当の意味での「伝える力」
なのかもしれません。
「慮る(おもんぱかる)」という言葉の力
この出来事のあと、ふと思い出したのが、
日本語の「慮る(おもんぱかる)」
という言葉です。
「相手の立場や気持ちを思いやること」と
辞書にはありますが、
それは単なる“優しさ”ではありません。
むしろ、相手の意図を想像し、
必要な言葉や行動を選ぶという
とても“能動的”な行為です。
不器用でも、丁寧に
「で?」と言われたことで、
私は、自分の未熟さに気づきました。
「この人は何を求めているのだろう?」
「どんな言葉が、安心や納得につながるだろう?」
少しでもそう考えて行動するだけで、
仕事の質は変わると感じています。
ただ単に伝えるではなく、
相手に届くことが大事です。
そのためにできることを、
私は日々、気をつけています。
おわりに
「で?」の人物さんは、時々、辛辣ですが、
他の人が言えないことを
きつ~~~い言葉で指南してくれる人です。
そう慮れば、仕事を教えてくださる
ありがたい存在です。
※最近は、辛辣なご指南は、なくなりました。
「慮る」という言葉の美しさと奥深さを、
あの一言から改めて学びました。
不器用でも丁寧に。
今日も、
言葉を大切に働いていこうと思います。