私たちは普段、雨が降ると「あいにくのお天気」と言いますよね。
天気予報でも(正式な用語というわけではないそうですが)、「あいにくの空模様」と表現されることがあります。
でも、どうして“あいにく”という言葉を使うのでしょうか?
「あいにく」は漢字で書くと「生憎」。
意味は、期待や目的にそぐわないさま、都合の悪いさま。
なんだか、ちょっと“がっかり感”がありますよね。
みんな、やっぱり「晴れてほしい」と期待しているのでしょうか?
もちろん、晴ればかりが続くはずもなく、
むしろずっと晴れていたら、それはそれで都合の悪いことも起きるはずなのに、
つい「あいにくのお天気」と口にしてしまう。
それはきっと、「とりあえず晴れてくれた方が都合がいい」
と思っている人が多いからなのかもしれません。
日本には「雨降って地固まる」ということわざがあります。
それは、地上に降る雨だけではなく、人生に降ってくる“雨”のような出来事にもあてはまるように感じます。
その瞬間は辛くても、
あとになって振り返ってみれば、
「あの出来事があったから気づけた」と思えることもあります。
だから、都合の良くない雨が降ったときも、
ただがっかりするのではなく、
「もしかしたら、これは“恵みの雨”かもしれない」
そんなふうに思える余裕を持てたら、ちょっと素敵ですよね。