人はこうして噂を広めていく

日常の気づき

職場で、最近こんな話を聞きました。

「4月に入ったばかりのパートさんが、
『仕事が多すぎるから、減らしてください』
って言ったんだって」

……えっ!?
びっくりしました。

今までの人たちは、普通にやっていた仕事。
それを「できない」と言った……。

噂話のスタート地点

そのとき、思ったんです。
これ、さっそく親しいパートさんに話したら、
絶対食いつくなって。

「ねぇ、聞いてよ~!」
「えぇ、そうなの~~?」
一緒に笑って、盛り上がって、
「ありえなくな~~~い?」
なんて会話が目に浮かぶようでした。

でも、そこでふと冷静になったんです。

あ、人ってこうやって噂を広めていくんだな、って。

嬉々とした顔して喋ってる

誰かのちょっとした行動や発言が、
面白くて、びっくりして、
それを「ネタ」として共有したくなる。

なぜかというと、
そういう話をするときって、
人はちょっと気分が高揚してるから。

嬉々とした顔して喋っているんです。
そんな話をしている時の自分の顔って
見ることはできないから、
気づいていないでしょうけど。

「まさかね~」
「信じられな~い」
「え、それってどういうこと?」

そんなふうに反応されるのが、
どこかで嬉しくなってしまう自分がいるんです。

職場のパートさんが、噂話をするとき、
嬉しそうな顔をしているのが、
とても不思議だったんですけど、
自分に噂話が舞い込んできた時に
その理由がわかりました。

同じ穴の貉

噂って、時には誰かを傷つけたり、
自分をちょっとだけ優位に
感じさせたりするものでもあります。

私は、噂話を聞かされる側の人間ですが、
嬉々とした顔して、噂話をされるということは
相手は、私が喜ぶと思っているということですよね?

同調したり、笑ったりしたり
心の中では、そう思っていなくても
話をされた時点で
もう同じ穴の狢ですね。

ほんの少しの興奮を共有したい

噂話は、
「悪意」からじゃなくて、
ほんの少しの興奮と、
つながりたい気持ちから
生まれることも多いんですよね。

あの人なら、安心して喋れる、
打ち明けられる、教えてあげたい。
それがないと、噂話はできません。

一度立ち止まって考えてみる

話すのは簡単だけど、
話さない選択もあると
そんなふうに思いました。

面白がる前に、ちょっと考えてみる。
(そもそも面白がっちゃいけません)

その話をわざわざしなきゃいけないか?
一度立ち止まって考えてみる。

そうすることで少しだけ、
優しい世界になるかもしれませんね。

落ち

結局、私はその話は誰にもしていません。
でも、その話をきいた次の日
「彼女、6月いっぱいで辞めるんだって!」
噂話は巡り巡って、想像以上に早く
そしててんこ盛りになって、
私の元に届きました。

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