今日は、朝から名探偵気分を味わった。
まだ薄暗い時間、マンションの下の道路に、
赤色灯を光らせたパトカーが停まっていた。
その後ろには、一台の乗用車。
「何か取り締まりかな」
そう思いながら、
のそのそと朝のルーティンをこなしていた。
警察官が二人、車の周りを歩いている。
でも、何か違和感がある。
普通なら、運転手さんも外に出て話をしているか、
車の中で窓越しにやり取りしているはずなのに、
その姿がない。
「運転手さん、どこにいるんだろう?」
そう思いながら、いつものようにサッシを開け、
ベランダへ出た。
今度は、二人の警察官は歩道を歩きまわっている。
相変わらず、運転手さんの姿はない。
その時、気づいた。
乗用車の非常灯がついていない。
「あ。無断駐車だ」
その瞬間、頭の中ですべてが繋がった。
警察官が車の周りや歩道を
うろうろしていた理由も、
全部わかった。
「我ながら賢い!」
一人で悦に入ってしまった。
人は、ほんの少しの違和感で、
案外いろいろ気づくものなのかもしれない。
普段、ぼんやり景色を見ているようで、
ちゃんと見ているものなんだなと思った。
朝から、ちょっとだけ名探偵になった気分だった。

