「強い人に勝つのは、空気なのかもしれない」

仕事と私

退職前の職場は、大学病院だった。

私の働いていた課は、
リーダー的な立場の人の言葉や態度が強かった。
そのため、不満が不満を呼び、陰口になり、
周りの人間関係の中に広がっていき、
その空気は、課の中を二つに分断していた。

ところが、今の職場は、街に根付いた小さな調剤薬局です。
強い先生が存在していても、
重苦しい雰囲気にならない。

昔気質の先生で、
今の時代でいえば、パワハラもいいところなのだが、
周りの人たちは、先生の強さに飲み込まれていない。

強い人に言い返すには勇気がいる。
お互いの立場もある。
仕事中なら、正面からぶつかることができない場面も多い。

だから、強い人の言葉がそのまま職場全体に広がってしまう。

以前の職場では、そういう重さを感じていた。

誰か一人の強さが、
いつの間にか、その場全体の空気になってしまう。

けれど、今の職場は少し違う。
先生という一点は、確かに強烈だ。
強さに対抗する方法ではないのかもしれない。

でも、その強さが職場全体を支配しきっていない。

強い人に正面から言い返すことだけが、
強さに対抗する方法ではないのかもしれません。

周りにいる人たちが、飲み込まれない空気を作ること。
一人だけに背負わせないこと。
「今のは変だったよね」と、同じ感覚を確かめ合うこと。

それも、
その人の強さを職場全体に広げない力になるのだと思います。

もちろん、
上に立つ人の言葉や態度は、職場に大きく響きます。

でも、それだけでは決まらない。

その強さを、そのまま受け入れてしまうのか。
それとも、周りの人たちが受け止め方を変え、
軽く流し、空気の流れを変えるのか。

誰かが強い言葉を使った時、
その言葉をさらに広げる人たちもいる。
でも、反対に、
その言葉をそこで止める人たちもいる。

重くしない。
増やさない。
誰か一人に抱えさせない。

そうやって空気の流れを変えられる人たちがいると、
強い人の影響は、そこで少し弱まるのかもしれません。

飲み込まれない空気を周りの人たちが作る。

それが、その場所を守ることもあるのだと思う。

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