“ロマンス”という言葉で、ごまかされる怖さ

日常の気づき

この前、
求人広告に書かれていた
「ミドル・シニア活躍中」
という言葉について書いた。

“中高年”をカタカナにして
少し柔らかく、
オシャレに言い換えるという昨今の流れ。

最近は、そんなふうに、
言葉の印象を柔らかくする表現が増えた気がする。

そしてもう一つ、
私が違和感を感じているのが

「ロマンス詐欺」

最近、ニュースを見ていて、
どうにも気になる。

最初に聞いた時
「ロマンス? 詐欺なのに?」
何か納得いかなかった。

響きだけなら、
少し大人っぽくて、
どこかオシャレですらある。

けれど、
実際にやっていることは、
人の好意や孤独につけ込んで、
お金を騙し取る犯罪である。

犯罪に、そんなきれいな言葉を
付ける必要があるの?
お金をだまし取られた人の
気持ちはどうなるの?

誰が考え出したのか、
犯罪の名称というより
まるで何かのキャッチフレーズみたいだ。

最近は、
「闇バイト」
「特殊詐欺」
など、ニュースで聞き慣れた言葉も多い。

でも、どれもこれも
どこか柔らかい。

「闇バイト」など、
まるで深夜のアルバイトみたいだ。

そんな話を娘としていたら、

「ロマンス詐欺なんて、
“他人のお金を騙し取るおっさん”(逆も然り)
くらいの名前でいいんだよ」と言い放った。

続けて娘は、

“言葉が綺麗すぎる”
もっと、「悪いことをしている」
と分かる名前の方が、危機感が伝わる。
人の感情を利用して、お金を奪う行為だと
ハッキリわかるような名前にしたほうがいい、
と言った。

たしかに、
「ロマンス詐欺」と聞くと、
どこか事件の輪郭がぼやける。

最近は、
言葉を柔らかくする文化が増えた。

強い表現を避け、
聞こえを良くする。

それに、どんな意図があるんだろう?

もちろん、
言葉を柔らかくすること自体が、
悪いわけではない。

しかし、犯罪の名称だけで見ると、
本来の怖さや危機感が、伝わってこない。

言葉のというのは、
「ミドル・シニア活躍中」のように、
言葉を柔らかくすることで、
受け取る側の印象が変わることは確かにある。

けれど、
それが犯罪の名前になった時、
事件の重大さが、
少し薄れてしまいそうな気がする。

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